[Imaging of thyroid tumors].

症例1:58歳,女 性. 初診:昭 和60年10月14日 主訴:前 頚部腫瘤 現 病歴:4年 前 よ り前頚部に小腫 瘤 を触 れる も自覚 症状 ないため放 置.特 に増大 せず. 既往歴:特 になし 現症:右 前頚部 に直径2cm大 の弾性硬 の腫瘤 を触 れ,嚥 下運動 とともに可動.喉 頭正常. 検査:血 液細胞学的生化学的異常 はな く,赤 沈, CRP,γ-gl分 画,血 清IgG,RA,ト リオ ソル ブ, T3,T4抗 サイ ログ ロブ リン抗体,抗 マイ ク ロゾーム 抗体,カ ルシ トニン,CEAは すべて正常であ った. 頚部X線 撮影 で気管 の偏位,甲 状腺部の異常石灰 化, 頚部食道(造 影)の 偏位,変 形,通 過障害はなか った (写真1a,2a), 123Iシ ンチ グラフィーで甲状腺右葉外側 に径1cmの cold areaを 認め,正 常 甲状腺 との境界はやや不明で あ った(写 真3a).201Tl,87Gaの とりこみ は認 め ら れ なかった.1231摂 取率 は21.7%(6時 間)で あっ た. 超音波エ コーで右 甲状腺右葉外側 に総頚動 脈 に接 し,円 形,境 界鮮 明で,内 部エ コーは 疎,や や粗大なる も規則性 の,部 位 によ り非 充実性嚢胞状の良性像 を示 した(写 真5a). CTで は右甲状腺 は腫大 し,外 葉 に 径 約 2cmの 低密度 円形腫瘤 を認 めた,境 界明瞭, 内部密度は均一 で,食 道,気 管,内 頚静脈, 外 頚動脈 の境界 も明瞭 で,頚 リンパ節腫脹 も なか った(写 真6a).